ポワラーヌ
パリで最も愛されるパン屋のひとつ、ポワラーヌの裏には、3世代にわたる家族経営の魅力的かつ悲劇的なストーリーがあります。
1932年、ピエール・ポワラーヌはパリ左岸、サンジェルマン地区とモンパルナスにベーカリーをオープンしました。 石臼で挽いた小麦粉を使い、重さ5キロ近い田舎風のローフ「サワードウ」を得意とし、地下にある18世紀オリジナルのオーブンで焼き上げた。 このパン屋の近くには多くの売れない芸術家が住んでいた。彼らのわずかな収入や存在しない収入に対応するため、ピエールは彼らにパンの絵と引き換えに、彼のパンを提供するように頼んだのである。
1970年にピエールの息子であるリオネルが事業を引き継ぎ、パリの郊外にお店をそっくり再現した24台のオーブンを備えた工場を建設してパンの生産を拡大し、今では1日に1万5000斤を生産して世界中に出荷しています。 その絶頂期に、57歳だったリオネルは、妻とともにヘリコプターの事故でこの世を去った。
この店では現在も、Pの文字が誇らしげに刻印された同名のサワードウ・ローフを販売しており、1斤(よく凍ります)、半斤、4分の1斤、あるいは2切れだけを購入することができます。 ポワラーヌはバゲットを販売していない。 レーズンロール、アップルショソン、フランなどが有名です。
Arnaud Delmontel
毎年、パリで一番おいしいバゲットを作ったパン屋さんに贈られる賞があるんです。 1位になると4000ユーロの賞金が出ますが、本当の賞は、そのパン屋が1年間、大統領官邸にパンを納める独占契約を結ばれることなのです。
2009年、アルノー・デルモンテルはその栄誉を受け、一軒のパン屋をさらに3店舗に拡大することができました。 2016年、デルモンテルはすべての製品にオーガニック小麦粉を使うように変え、2016年と2018年にパリで最も優れたオーガニックベーカリーに贈られる賞を受賞するまでになったのです。
受賞歴があっても、マルティル通りのアルノー・デルモンテルは近所のパン屋さんで、地元住民を対象にしていますが、バゲットやミルフィーユのために特別に足を運ぶ観光客やパリっ子も見かけます。