広大なグリーンランド氷床は、過去12000年間で最も速い速度で溶けているそうです。
昨日、学術誌ネイチャーに発表された研究は、氷床の将来の損失は、人類が今日どれだけ早く炭素排出を削減するかに大きく依存することを警告しています。
「現在の変化がどれほど異常で、将来の変化がどれほどあり得るかということを、今、私たちは本当に考えることができます」と、この研究の共著者でカリフォルニア大学アーバイン校の科学者であるJosh Cuzzone氏は語りました。
研究者は、氷床から掘削した古い氷サンプルのデータに基づいてモデルを使い、過去1万2000年にわたるグリーンランドの歴史を再構築しました。
産業革命以前、1万2000年のグリーンランドの氷の喪失率は、1世紀で約6兆トンと最高でした。
気候が温暖化し続けるにつれて、この割合は増加すると予想されます。
研究者たちは、将来起こりうる2つの気候シナリオを調べました。
このシナリオでは、グリーンランドは今世紀中に8兆トン以上の氷を失う可能性があります。これは、過去1万2000年のどの時点よりも速い速度です。
アラスカ大学フェアバンクス校の研究者であるアンディ・アシュワンデン氏は、「温室効果ガスの排出が大幅に削減されない限り、グリーンランドから前例のない速さで氷が失われることがますます確実になっている」と、昨日ネイチャーに発表した研究に対するコメントで述べています。
将来の氷の損失量は、海面への影響を通じて、世界中のコミュニティに大きな違いをもたらす可能性があります。
グリーンランドはすでに、世界の海面上昇の最大の原因となっています。
現在と今世紀末の間に20兆トンまたは30兆トンの氷が余分にあれば、世界中で数センチの海面上昇に相当します。
これは大したことではないと思うかもしれませんが、沿岸都市が経験する洪水の量に劇的な違いをもたらす可能性があります。 冷たく新鮮な雪解け水が海に流れ込むと、海流の構造と流れ、および大気との熱交換の方法に広範囲にわたって影響を与える可能性があります。
この新しい研究は、これらの最悪の結果を防ぐには、今日、世界の炭素排出を減らすための迅速で厳しい取り組みが必要であることを改めて示しています。
「少なくとも、これらのシナリオとこの氷床モデルで、炭素排出を削減すれば、現在向かっているような最悪のケースを回避できることを示しています」と、Cuzzone氏は述べています。
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